◆情報提供編「そうか…私に必要なのは、融資ですやん(笑)」◆
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「そうか…私に必要なのは、融資ですやん(笑)」
「た、助けてください!」
朝の朝礼が終わって席に着こうとした時だった。裏返った声が室内に響き、”何事か”と職員全員が振り返る。
「おはようございます。どうされましたか?何か落とし物ですか?」
「違うんですわ!もううち、お金もなくて家賃も払えない状況やのに、従業員から”給料払え”って圧をかけられている状況なんどす。どうか、助けて頂けまへんか…。」
こてこて関西人だな(笑)それにしても、状況は極めて深刻のようだ。
「承知いたしました、ひとまず落ち着きましょう。どうぞ、こちらでお伺いいたします。」相談室に案内する。
「おおきに。あの、私この市内で雑貨店をやっとります丸野と申します。取り乱してしもうて、本当に申し訳ありません。」
「いえいえ。状況を整理したいのでお伺いいたしますが、おそらくコロナウイルスの影響等で経営状況が深刻なのかと思うのですが、お間違いないでしょうか。」
昨日も同様に、小売店やサービス業を中心に経営相談が立て続けに入っていた。間違いなく、この丸野様も例外ではないだろう。
「そうなんどす。くそっ。コロナめ…。うっ、ゔっ。うわぁぁぁぁぁぁぁあ!」
嘆き?音?
「静かにしてください。」
「はい。」
ウソ泣きかよ(笑)
「さて、そういうことでしたら”何か手立て”を打たなければ状況は改善されません。ある程度のキャッシュがあって、従業員の給与も支払っている状況でしたら”雇用助成金”という制度が使用できますが、どうやら休業中は未払いとのことですので対象にならないかと。」
「丸野は手札を一枚失った。」
カウントするなよ(笑)
「それでは、国の持続化給付金や休業支援金制度は確認済みですか?」
「実は、ガラケーなの。つまり、まだ。」
なんでだよ(笑)
「持続化給付金は各市町村で申請サポート会場が設営されておりますので、パソコンやITに疎い方でも補助員の付き添いのもと、申請ができます。それに、必要書類関係もお近くの商工会議所で個別相談会が開催されておりますので、この不安も払拭できます。すぐに予約をとってください。」
「手札が…一枚増えましたね!」
意外と知られていないのが”サポート会場と個別相談会の存在”だ。市の広報や会議所の会報誌・タウン誌だけではやはり限界がある。というか手札とか言うな。
「休業要請支援金は、すべて郵送で申請が可能です。なので、この用紙に加筆頂いて必要書類さえそろえて頂ければ、申請できますよ。」
丸野さんのようにWEB申請ができない方向けに、最近では郵送対応等でも受付ができるようサービスが拡充されている。そして必要書類は、おおかた市役所や商工会議所に配下されているのだ。
※WEB登録後の申請〆切は6/20まで延長
「よしっ!ということは、これを書いて送れば良いわけですね?」
「仰る通りです。申告書関係の書類が必要ですので、必ず添付漏れのないようにお願いします。」
「ちなみに、入金はいつぐらいにされるのでしょうか?従業員の給与の支払いが月末ですので、今月はよくても来月には入金されていないと困ります。」
そう言われても困ります。実はいま起きている問題が”提出書類不備”と”入力ミスに伴う確認作業”だからだ。
「いま、給付金も休業要請支援金も、入金が遅れている実態があります。ですので、あまり当てにされない方がよいかと。」
「おわった…。」
丸野さんは椅子から大げさに転がり落ちた。いちいちリアクションが激しい。
「となると、挙げられる残る手段は”融資”です。とりいそぎの運転資金を確保して、従業員への給与支払い、家賃等の固定費支払いに充てて最悪の事態を避けましょう。」
丸野さんが急に深刻な顔で黙り込んだ。借入できない事情でもあるのだろうか。
「そうか…私に必要なのは、融資ですやん(笑)」
急に開き直るな。
「ただ、融資って色々ありますやん?どれがオススメなんでっしゃろ。」
「今であれば、どこの金融機関で借入希望を出しても、実質無利子の融資が適用されます。スピード感で言うと、保証協会付の融資であれば、最短で2週間程度で入金されるというお話もありますよ。」
一般的に”融資”と聞くと”金利”がまず頭に浮かぶかもしれないが、実はコロナ禍における金融機関の融資対応はどこも同じになっている。市役所等で証明書を発行する必要はあるが、コロナウイルスの影響を受けての融資を希望する場合は、実質無利子の融資が
必ず適用されるのだ。
「それはありがたい…。どうやら、私にも希望が見えてきたようです。」
「それはよかったです。そしてもし、経営が落ち着いて更に事業を拡大していく投資を行うタームに入ったら、ぜひ”小規模事業者持続化補助金”という補助金制度をご活用ください。」
※本補助金に関する記事は、先の「小規模事業者持続化補助金編」にて紹介しているため、割愛する。
「分かりました!だいぶ整理できましたよ~、ほんとおおきにです!」
「いえいえ!あと、最近では市独自の給付金制度が拡充されていますし、もう間もなく丸野さんがお困りになっている”家賃”にかかる給付金制度も公開される予定です。ぜひ
お見逃しのないよう、確認をしておいてください。」
直近で、家賃支援給付金(仮称)が確立されている。
「分かりました。私ね、今回の相談を受けて分かったことがあるんです。」
「どのようなことでしょうか?」
「分からなかったら、とりあえず会議所に行くってこと。ぷぷぷ。これからもよろしくね。」
まずは自分で調べてね。
「また何かございましたら、ご連絡ください。毎度、おおきに~。」